側弯症検診
側弯症は成長期の児童に発症しやすい疾患です。背骨を正面から見たときに、左右に曲がっている状態を指します。弯曲が進行する前に発見し、治療を開始することが重要です。
小児の側弯症を診ることができる医師は全国的に限られますが、当院では経験豊富な医師が対応します。また、予約なしで側弯症検診が可能です。
お気軽にご相談ください。
<当院で側弯症の検診を初めてお受けになる方へ>
学校の運動器検診などで側弯症を指摘された方、もしくはかかりつけ医様より紹介状を頂いた方は側弯症の専門医である司馬立院長が診療いたします。当HPの診療カレンダーもしくは電話にて院長の診察日かどうかを確認の上お越しください。小学校または中学校で使用している体操着(下衣)をご持参頂くと円滑にレントゲン撮影が行えます。ご協力ください。
側弯症とは
背骨は頚椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎から成り立っています。背骨を横から見ると、通常、頚椎・腰椎は前方に弯曲、胸椎は後方に弯曲しています。
側弯症とは、背骨を正面から見たとき、左右に曲がっている状態で、弯曲の角度が10度以上であるものを指します。日本での発生頻度は1~2%程度で、女子に多くみられます。
痛みなどの症状を出すことは稀ですが、進行すると、健康に影響を及ぼすような障害を引き起こすことがあります。
原因
側弯症には、原因がわからない特発性側弯症と疾患が原因の側弯症があります。
特発性側弯症
特発性とは原因がわからないことを意味し、側弯症のうち80-85%を占めます。
年齢による分類
・乳幼児期側弯症
3歳以下で発症し、男児に多いです。
・学童期側弯症
4~9歳に発症し、進行する例が多く見られます。
・思春期側弯症
10歳以降に発症し、多くは女子です。
疾患による側弯症
疾患が原因の側弯症です。
・先天性側弯症
生まれつきで骨の形に異常があるために発症する側弯症です。
・神経・筋原性側弯症
様々な神経や筋肉の疾患が原因で発症する側弯症です。
脊髄空洞症、脳性麻痺、筋ジストロフィーが代表的です。
・神経線維腫症による側弯症
レックリングハウゼン病ともよばれ、特有な色素斑、皮膚腫瘍、などにより診断されます。
・間葉系疾患による側弯症
血管や結合組織の生まれつきの疾患による側弯症です。
マルファン症候群が代表的な病気です。
・その他の側弯症
放射線治療、やけどによるケロイド、骨系統疾患、感染、代謝疾患、脊椎の腫瘍などによっても側弯症が起こります。
診断
診察では、前かがみの姿勢をとってもらい、後ろから背骨を観察し、肩周辺・背中・腰部の順に左右の高さに差があるかどうかを確認します。また、真っ直ぐに立った状態で、肩甲骨の高さと突出の程度、肩の高さ、ウエストラインに左右差があるかどうかを確認します。
異常があれば、脊柱全体のレントゲン写真から側弯の程度を角度で表します。同時に、脊椎骨や肋骨に異常がないかも調べます。
治療
側弯症の治療は、側弯の原因や程度、年齢によって異なります。
程度が軽い場合には、運動療法などで経過観察しますが、進行がみられる場合には、装具治療を行います。
装具治療でも進行がみられるときは、手術による矯正が必要な場合があります。側弯症の手術ができる病院は限られますが、当院から紹介可能です。
予防
側弯症は、弯曲が進行する前に発見し、早期に治療を開始することが重要です。
児童の側弯症検診に関しては、1979年度に導入された側弯症検診に代わり、2016年度から学校運動器検診が開始されました。
学校運動器検診
学校健康診断の際に、子どもの背骨や手足について保護者が家庭評価を行い、その後、学校医による運動器検診を行っています。側弯症が疑われ、受診が必要と判断されると、近隣の整形外科を受診していただく仕組みです。
側弯症は成長期にいつでも発症するため、一度の検診で異常がなくても安心できません。検診時以外にも、ご家庭でお子様の背部の状態をチェックすることが理想です。
気になることがありましたら、当院にご相談ください。